【鈴村健一】2011/4/17 歌とトークで伝えられたポジティブなメッセージ。明るい未来を願った「鈴村健一 Live Tour 2011”CHRONICLE to the future”」東京公演ライブレポート!

5月8日 08:05

アニメ・ゲームの声優やラジオパーソナリティとしての活動のみならず、音楽活動も精力的に行っている鈴村健一が、4月17日、東京・SHIBUYA-AXにて「鈴村健一 Live Tour 2011”CHRONICLE to the future”」東京公演を開催した。

今回のライブツアーは、3月9日に発売された2ndアルバム『CHRONICLE to the future』のレコ発ツアー、さらに昨年行われた初のライブツアー「KENICHI SUZUMURA 1st Live Tour 2010″Becoming”」から約1年ぶりとなるツアーということもあり、ファンの期待もひとしお。
しかし、ツアー開始開催直前の3月11日に東日本大震災が発生。発電施設も大きな被害を受けてしまったことから、今回のツアーはアコースティック・バンド、控えめの舞台演出という節電を意識した内容に急きょ変更されることが発表された。
また、ライブの公式サイト上ではファンに向けて「future(未来)」をテーマにしたメッセージを募集。それをステージ上で紹介するという一幕もあり、アルバム&ツアータイトルにもある「future」を強く意識し、鈴村と一緒に「自分たちの未来」に思いをはせるライブとなった。

■自然体の鈴村の歌声が渋谷に響く

オールスタンディングの会場には、普段のライブ会場と比べてぐっと抑えられた照明と、ステージ上にある電気スタンドの控えめな光が柔らかくきらめいている。
節電対策なのだろうが、そのおかげで会場には落ち着いた雰囲気が漂っている。
そんな中、ステージ上にはラフな衣装に身を包んだ3人のミュージシャンが登場。
大歓声に包まれながら席に着いたメンバー。会場を包むラグタイム「ジ・エンターテイナ−」が鳴り止むと、今度は勢いよくアコースティックギターのカッティングと軽快なパーカッションが会場に響き渡る。
ファーストナンバー『春の日よ』のイントロと一緒に、この日の主役・鈴村健一が右手の拳を掲げつつ、やはりラフな衣装で登場した。
会場を揺らすような大きな声援に満面の笑顔で応えた鈴村は、オーディエンスの息が合った掛け声に乗って、

~さあ始めようカウントダウンを もう目の前の第二章へ~

と、未来に一歩踏み出す季節のテーマソングを熱唱するのだった。
爽やかに一曲目を歌い上げた鈴村は、脇を固めるバンドメンバーとともに挨拶。
「今日はご覧の通りアコースティックライブですが、気を抜いてはいけません! 最後まで盛り上がってくれ!」
と力強く叫び、『The whole world』がスタートした。
柔らかなアコギの演奏をバックに鈴村と観客は、

~羽ばたくんだ キラキラ輝くところへ~

とポジティブに合唱。冒頭から一体感に満ちたステージが繰り広げられた。

■ファンのメッセージを交えつつ展開するライブ

疾走感あふれるオープングを飾った鈴村は、「さて」と、改めて今回のライブに至るまでの経緯を語り始めた。
「みんなは普通に笑っていいんだ、幸せでいていいんだ、ということを、エンターテイメントに携わる人間は言っていかなければいけない。そして、自分が幸せで満ち足りた時に、周りにも幸せを分け与えてあげられる、と思い至りました」
今回のツアーを行うまでに様々な葛藤を覚え、スタッフとも協議を重ねたという彼は、真摯な言葉で今回のライブに込めた思いを語り、ファンも温かな拍手と声援でそのメッセージに応えた。

また、今回は楽曲の合間にファンから寄せられた「未来」をテーマにしたメールを紹介。ファンと言葉のキャッチボールをしつつ進行するという、声優・ラジオパーソナリティでもある彼ならではの要素も取り入れたライブとなっている。
まず、子供と接する教職に就いているファンからの「感謝の気持ちを忘れないように」というメッセージを読んだ鈴村は、「子供たちに素敵な未来を伝えてください」とコメント。
そして「素敵な毎日が描けるように」と『スケッチ』を披露した。
アコギとピアニカから奏でられる優しく素朴なメロディに、会場からは自然と手拍子が起こる。
ブルージーなセッションをバックにメンバー紹介を行った後は、ミラーボールがロマンチックなムードを盛り上げる『フタリジカン』が演奏された。

~同じ時を歩んでゆける この喜び未来へ繋ぐよ~

何気ない日々の幸せを歌う鈴村の声に、誰もがうっとりと聴き惚れるのだった。

再びメールを紹介したところで、ステージ上に残っているのは鈴村とピアニストの二人のみ。ピアノ伴奏だけで、昨年11月にリリースされた6thシングル『月とストーブ』がスタートした。
歌う鈴村がそっと寄り添うピアノには、三日月の形をした照明がひとつ点灯。
ノスタルジーと哀愁が漂うバラードが、会場をそっと優しく包み込んだ。

■アッパーチューン中心のメドレーで燃え上がった中盤

そっと紡がれるピアノの旋律に乗せて、未来への思いが書かれたメールを朗読した鈴村は、これから誰にでも訪れる輝かしい未来を願って『and Becoming』を披露した。
途中で鈴村は客席にマイクを向け、観客とコーラスを合唱。
~さあ ここまでの魂をまぜあわせよう~
という歌詞を体現するかのような、心の交流がステージ上とフロアで行われた。

開始から穏やかな楽曲中心で進んできたライブだが、ここからはノリノリな楽曲のオンパレードだ。
アルバム『CHRONICLE to the future』収録曲のメドレーが、ライブ後半を大いに盛り上げる。
まずは『光よりはやく飛ぶロケット』で爽やかにメドレーが始まったかと思うと、ラフなヴォーカルがピアノロック風な楽曲と絶妙にマッチする『トハイヱ』が会場を縦に揺らす。
続く『70億分の1』では、アコギとピアノがメロディアスに絡み合う……と、ここで演奏は一気にテンポアップ。
「さあ、一緒にいこうぜ!」
という鈴村の煽りで始まった『in my space』で、会場のテンションも急上昇した。

~in my space~
「さあ行くんだ果てしなく広い宇宙へ」

息の合った掛け合いで、会場の空気も一体感を増したようだ。
ジャジーなピアノがオシャレに響く『エル・キホーテ』を経て、メドレーのラストを飾ったのは、この世の無常を歌ったバラード『Landscaper』。
ライトアップされた鈴村のシルエットが、ステージ奥の壁に大きく映し出され、まるで影絵のように動く。
思わず息をのんでしまいそうな幻想的な演出に誰もが見とれつつ、およそ10分間にわたるメドレーは終わりを告げた。

■未来に向けた思いを込めた楽曲が並ぶライブ終盤

ライブもいよいよ終盤。
ここで再びファンからのメールを読んだ鈴村は、
「目指した未来と違う未来が訪れても、また新しい未来をえがけるはずだ」
という言葉とともに、今回のツアーのタイトルにもその言葉が使用されているテーマソング的な一曲、『CHRONICLE』を熱唱。
ピアノの美しいメロディに乗せて、伸びやかに声が響き渡る。
その歌声と彼自身が書いた詞のメッセージは力強い。

~全身全霊で挑むんだ 生まれたことの真実を知るため~

>歌のみならず、声優、ラジオパーソナリティなど、様々なフィールドで全力を尽くす鈴村健一の生きざまを歌ったような楽曲に、会場からも盛大な拍手が巻き起こった。

ここで再びMC。
鈴村は、「「未来」というひとつの大きなテーマを流れで見せるライブにしようと決めた」と今回のライブのテーマを語った。
本編だけでテーマを完結させるためか、「アンコールは行わず、ライブ本編で思いを感じてもらいたい」とのことだが、ここまでのライブを見てきたファンには、すでに彼の思いは十分に伝わっていたのだろう。観客も優しい、そして力強い拍手でその言葉に応えた。
ちょっぴりしんみりムードが漂い始めた会場だが、
「明るい日本を目指すために、みんなで騒ぎましょう! 元気がないと何もできません」
という鈴村の言葉で一転。大きな歓声が上がる。
そんな観客と一緒に日本を元気にすべく、アッパーチューン『ミトコンドリア』、そして『ハナサカ』がライブのフィナーレに投入された。

原曲では8ビートを刻むエレキギターがグイグイと楽曲を引っ張るパワフルなロックナンバー『ミトコンドリア』だが、この日はアコースティックバージョンということで、その役割はピアノが担当。
ピアノロック風なアレンジで、どことなくスタイリッシュな印象が強調されているが、その力強さは相変わらず。
最初から最後まで鈴村のヴォーカルに合わせて、観客も合唱しつつダンシング。
まるでダンスパーティのような華やかさとパワーが会場を包み込んだ。
「一緒に歌ってくれて嬉しい!」
自分の思いが、会場のファンにも十分に伝わったことを感じた鈴村は満面の笑顔だ。
このハイなテンションのまま、ラストナンバー『ハナサカ』に突入。
春の訪れを感じさせる美しいナンバーを、やはり合唱する会場。
まるで舞い散る花びらのように、無数のサイリュームも右に左にゆったりと揺れる。
そして間奏では、
「僕たちの日常は種まきです。その種は皆さんの心の中にあることを忘れないでください。その種はいつか花を咲かせます。素敵な花が咲くことを祈っています」
と、心からのメッセージを高らかに叫び、最後には観客全員と一緒にジャンプ!
大きな感動の中で、ライブはフィナーレを迎えた。

最後にバンドメンバーとカーテンコールを行った鈴村は、
「今日、みんなの思いがひとつになったことを忘れなければ、きっと日本もひとつになれます。その思いを周りの人にも伝えてください! みんなでがんばりましょう!」
と会場に向けて、そして日本全国に向けてエールを送った。

震災を受けて通常のライブと少々異なる形で行われた今回のツアーだが、アコースティック・バンドによる歌のみならず、トークも多く取り入れ、鈴村健一というアーティストの魅力全てをステージ上で表現した、総合エンターテイメント的な側面の強いステージが繰り広げられた。
今後もマルチな活動を続けるであろう彼のキャリアの上でも、おそらく重要なツアーとなったのではないだろうか。

(文中敬称略)
(Photo=能美潤一郎)(有田シュン、OH編集部)

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「鈴村健一 Live Tour 2011”CHRONICLE to the future”」in SHIBUYA-AX(4/17)
曲順 曲名 iTunes mora win
1 春の日よ 春の日よ - CHRONICLE to the future ─────
2 The whole world The Whole World - Becoming ─────
3 スケッチ スケッチ - 新しい音色 - EP ─────
4 フタリジカン フタリジカン - CHRONICLE to the future ─────
5 月とストーブ 月とストーブ - 月とストーブ ─────
6 and Becoming and Becoming - and Becoming - Single ─────
7 メドレー ─── ─────
光よりはやく飛ぶロケット 光よりはやく飛ぶロケット - CHRONICLE to the future ─────
トハイヱ トハイヱ - CHRONICLE to the future ─────
70億分の1 70億分の1 - CHRONICLE to the future ─────
in my space in my space - CHRONICLE to the future ─────
エル・キホーテ エル・キホーテ - CHRONICLE to the future ─────
Landscaper Landscaper - CHRONICLE to the future ─────
8 CHRONICLE CHRONICLE - CHRONICLE to the future ─────
9 ミトコンドリア ミトコンドリア - Becoming ─────
10 ハナサカ ハナサカ - CHRONICLE to the future ─────

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