1月23日。故・米澤嘉博氏の『戦後エロマンガ史』が第24回大衆文学研究賞(早乙女貢基金)を受賞した。
同書は、エロ漫画の歴史を、終戦直後のエログロナンセンスなカストリ雑誌から91年の有害コミック騒動に至るまで、書誌を踏まえた力作。刊行直前に著者が急逝したため、『アックス』連載原稿に、関連するテキストを加えて構成されている。
資料が残りにくく、漫画史研究においても無視されがちだったエロ漫画の世界を研究した数少ない書籍であり、定本となるべき力作である。
こういう地道な研究が評価されることは素晴らしいことだが、同書や、拙著『エロマンガスタディーズ』で取り扱っている作品を簡単に参照できないというボトルネックがある。実際、若手の研究者たちは、資料の渉猟に労力を裂かざる得ないのが現状だ。
何よりも急ぐべきは資料の保存であり、その意味でも米澤さんの蔵書を収めた米澤嘉博記念図書館の意義は大きい。
この受賞によって、エロ漫画に限らず、性的表現を含む漫画、マイナージャンルの資料保存と研究が本格化することを期待したい。
(※訂正:速報では「尾崎秀樹記念・大衆文学研究賞」と表記しましたが、本年より賞の名称が変更となったことを確認しましたので見出し、本文ともに訂正しました。1月24日午後11時50分)
(永山薫/『Comics OH』編集部)
タグ: エロマンガスタディーズ, 戦後エロマンガ史, 永山薫, 米澤嘉博





